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父の日 お父さんごめん  ガンと闘う父へ 父への手紙

もうすぐ父の日ですね。



ガンと闘う父へ

あの時はごめん。 
今もごめん。
あの時、あんな事言ってごめん。


何カ月も前から腰が痛いという父を母が無理やり病院につれて行った。2度の再検査の結果、最悪の病気ではないとのことだった。
念のため造影剤を入れてもう一度だけ検査しておきましょう。

ガンではない事はわかったし、明日の検査は僕が付き合うよ。
安心しきっていた僕は仕事が休みということもあり久しぶりに親父に付き合うか。
軽い気もちで母と父に言った。



検査中に先生が君息子さんだよね。今日お母さんは一緒じゃないの?
ええ、今日は僕1人です。
んー? 君いくつ? え?なんでそんなこと?って思いながら
昨日で20歳になりました。
そっかじゃこっち来て。  え? 結果は親父と一緒に聞くんじゃじゃないの?
?マークが沢山でながら診察室に入った。

先生が一呼吸入れて 「20歳なら大丈夫だよね。落ち着いて聞いてね。
君のお父さんもう長くないんだ膵臓ガンだ!もって1年だ。」
えーーー!話違うじゃん。2度も検査して大丈夫だって。
パニックになった僕に先生はとりあえずお母さんに連絡して詳しく説明するから

心配症の母には自分から説明する自信がなく母の姉である叔母に連絡をした。

看護婦をしている叔母なら上手く説明してくれるだろと思った。

それから叔母の指示で夕方まで時間を稼いでなるべく遅く帰ってくるよう言われた。

父は腰は痛いもののガンではないと安心しきっているのと息子が昨日20歳を迎えた事に上機嫌だった。

お前の好きな寿司食って、それから実印作りに行こう。誕生日プレゼントだ。

嬉しそうな父の顔に涙をこらえるのが辛かった。

ご飯もそこそこに実印を適当に選びとにかく会話が辛かった僕はパチンコでもして帰ろうよ。

パチンコならうるさいしそんなに話さなくて平気だしと思い勝手にパチンコ屋に行った。

家に帰ると親戚の叔母さん夫婦、と母、兄貴まで家にいてやたらと明るくしていた。

父には悪性ではないが腫瘍はとった方が良いと説明し、無理やり納得をさせた。

1週間後、入院した父のお見舞いに行った。結婚をするつもりだった彼女を連れて。

その病室で僕はとてもひどく父にとっては辛い事を言ってしまった。

「俺、この子と結婚する。」

父はガンではないし、すぐに退院するつもり。

でも僕は焦っていた。1年で孫を見せてあげたい。 ただ本当にそう思っただけだった。
今考えるとなぜこのタイミングで言う?お前馬鹿か!自分でもそう思う

その時 父は自分の病気を分かっていたのだろう。

すぐに、おめでとう。左手にしていた大事なブレスレットを僕にくれた。

「俺は今は何も出来ないがこれで指輪でも作れ。おめでとう。」

僕はみんなが隠していた おそらく父もみんなに隠していた事

父に先がないこと。余命を告げてしまった。



辛い事を言ってごめん



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